大賀ハス日誌
大賀文庫ゆかりの大賀一郎博士は「府中はハスのメッカなり」とおっしゃっていました。
そこで図書館でも府中市内の蓮池で大切に守られてきた大賀蓮の蓮根と和歌山の大賀蓮保存会からいただいた蓮の実から花を咲かせようと、2007年春より図書館有志で大賀蓮を育てています。
成長記録写真をのせていますので、是非ご覧ください。
2011年8月22日更新
2011年7月14日更新
2011年7月13日更新
2011年7月7日更新
2011年7月7日更新
2011年8月22日
一度、池で元気に育つ大賀蓮を見たいと思っていた職員Oは7月半ば、和歌山大賀ハス保存会が管理している大賀池の見学に行ってきました。
図書館では蓮根と種の両方から大賀蓮を育てていますが、種は和歌山の大賀池で採取されたものをいただき、発芽させました。

東京農林専門学校(現東京農工大学)にて、大賀一郎博士に師事しハスについて教わった故阪本祐二氏。その縁で阪本氏の故郷和歌山に大賀蓮が分根されたのは1962年のこと。それがきっかけとなり1965年に和歌山大賀ハス保存会が発足、今年で46年大賀蓮を保存・育成しています。

海が近く、緑に囲まれた場所にある大賀池の蓮。
鉢で育てているのと違い、葉っぱは大きく伸び伸びと育っています。

大賀蓮の花は気品がありますね。
色の薄い右側の花はおそらく4日目でこのまま散ってしまう花。

トンボや蝶が舞い、池にはメダカやヌマエビ、蛙が泳ぎ、自然豊かな環境。
池のほとりの椅子に腰掛け、のんびり蝉の声と波音を聞きながら、蓮池を眺めました。
すがすがしい朝の空気と緑の風景。仕事を忘れすっかりリフレッシュしました。
池のほとりには立派な石碑が2つ。

「蓮ハ平和の象徴也」大賀一郎

「荷風千里」阪本祐二
大賀博士は「ハスは平和の象徴なり」に想いを込めた次のような文章も遺されています。
「私はいま、東京都郊外の府中市に住んで、ハスの研究に従事している。府中は小さい。然し「府中はハスのメッカなり」と「ハスは平和の象徴なり」との二つの標語をかかげて生きている。願わくは、このハスが、わが国から世界各地に伝わって、殊に世界に平和の来らんことを念願するものである。」(昭和39年9月『浅草寺』より)
「荷風千里」という言葉については阪本祐二氏の奥様弘子さんに意味を教わりました。
中国では蓮のことを「荷」と言います。「荷風千里」とは蓮の花の香りが風にのり、千里先まで届きますようにとの願いが込められているとのこと。
蓮を愛する2人のどちらの言葉も胸に深く残ります。
今回大賀池を見学すると共に、是非ともお聞きしたかったのが蓮の肥料のあげかたのポイントです。
弘子さんに伺うと「私は顔を見てあげている」との答え。さすが、30年以上蓮を育てている方は違います。
立ち葉がでるまではあげないこと、その後は1ヶ月置き、8月のお礼肥えでお終いということだけは頭にインプットしました。

和歌山では大賀ハス保存会会長の阪本尚生さんにご案内いただき、大変お世話になりました。ありがとうございました。
来年こそは大賀池からいただいた種から育てている図書館の大賀蓮も咲いてほしいです。
<本の紹介>
府中市立図書館で所蔵している阪本祐二氏の著書
『『蓮平和象徴也』『請能交為荷』』 1965
『蓮 ものと人間の文化史21』 法政大学出版局 1977
『くらしのなかの花5月 ハス』 中日園芸文化協会 1988
2011年7月14日
今年はすごい!!
3つ目も見事に開花しました。
そして今、4つ目のつぼみが花開く時を待ちわびています。

先に活躍した花たちは、花びらが落ち...

花托となっています。

2011年7月13日
今回はハスの生育日記ではなく、若き日の大賀博士のお話です。
大賀文庫の存在により、こんな写真が図書館に舞い込んできたのは昨年のこと。


砂浜に3人の異国の子どもたちと一緒に写っている白い帽子の男性は若き日の大賀一郎博士。この頃はまだ八高(現在の名古屋大学の前身)にて教鞭を取っていました。
写真をご寄贈くださった長野種俊氏の祖父にあたる名和昆虫研究所所員の長野菊次郎氏と大賀博士とは八高時代に交流があったそうです。
大賀文庫に飾るといいのではなどと担当内で話していたところ、目に留まったのは写真裏の「23-VII-1915 南洋サイパン島ニテ 大賀一郎」の文字。年譜では博士が南洋諸島の見学調査に行ったのは1914(大正3)年になっています。謎を解くべく特別文庫担当で調査を始めました。
大賀文庫所蔵の『八高五十年誌』に「八高回顧」という博士本人が寄せた文章があります。そこには
「大正三年七月に全国高等学校の学生と共に、私も八高の学生八人許りを伴のうて、海軍御用船加賀丸で旧独領南洋諸島に航したのもよい思い出であった。」
と年譜と同じ年月が記述されていました。
おそらく、現在流布されている年譜はすべてこの記述に基づいて1914(大正3)年に「全国高等学校の生徒(八高生8名をふくむ)とともに旧ドイツ領南洋諸島の見学調査を約2か月おこなう」と書かれています。
1914(大正3)年とは日本海軍が10月に旧独領南洋諸島を占領した年です。だとすれば同年の占領前にあたる7月に南洋諸島へ行ったとは考えにくい。『八高五十年史』に書かれていた「大正三年七月」の記述はご本人の記憶違いではないかと考えました。しかし、それだけではなく決定的な証拠が欲しい。
そこで、活躍したのが『読売新聞』や『朝日新聞』の大正期の記事が検索できるデータベースです。ここに「加賀丸」「南洋」などのキーワードを入れてみると1915(大正4)に関連記事を5件発見しました。見出しをご紹介します。
<読売新聞CD-ROM大正期>の検索結果
1915年7月18日(大正4)朝刊
「南へ、見学に 本日出帆の高校生」
1915年8月28日(大正4)朝刊
「南洋見学旅行 御用船加賀丸にて/第3高生」
1915年9月7日(大正4)朝刊
「学生南洋視察団帰る 一行極めて元気」
<朝日新聞聞蔵ビジュアルII大正期>の検索結果
1915年8月3日(大正4)朝刊
「南洋占領諸島/社説」
1915年10月3日(大正4)朝刊
「一高南洋展覧会」
これにより、謎解きの結果は、写真の裏の年号(1915年)が正しいという結果になりました。これまで流布している年譜は知る限り、間違いだったということになり、新発見へとつながりました。
また今回の調査で出発日と帰国日も明らかになりました。出発日は1915年7月17日(大正4)。帰国日は1915年9月6日(大正4)です。
32歳の時に生徒を引率しての南洋旅行。(総勢生徒130名、教員12名)。もしかしたら初めての海外旅行?若かりし頃の博士も高校生と共に約2ヶ月の南洋の旅を大いに驚きを持って、楽しんだのではないでしょうか。
図書館だより第18号でも「1枚の写真より ~大賀一郎博士の南洋旅行はいつ?~」としてご紹介しました。
2011年7月7日
府中市郷土の森博物館の企画展「蓮の画帳」のお知らせ
今年も府中市郷土の森博物館では、企画展として「蓮の画帳」を開催します。今年は大賀一郎博士の遺品の中から、ハスの色彩画と研究用具を展示します。
また、修景池まで足を伸ばせば、本物の大賀蓮を見ることもできます。
※ポスターをクリックすると別ウィンドウで拡大版を表示します。
企画展 蓮の画帳
大賀一郎博士の遺品から ~博士の研究用具~
会期 |
6/25(土)~9/4(日) |
|---|---|
開館時間 |
9時~17時(入場は16時まで) |
会場 |
府中市郷土の森博物館 本館2階企画展示室 |
観覧料 |
無料(入場料が別途必要です) |
問い合わせ |
府中市郷土の森博物館 |
府中市郷土の森博物館HP |
2011年7月7日
今年も図書館では蓮を育てています。
本来ならば3月がハス植え替えの時期ですが、東日本大震災があり図書館も計画停電で右往左往し、植え替え計画が立ち消えになってしまいました。
今回は蓮自体の力に大いに期待したスタートでした。
昨年の結果が残念だっただけに、今年は花が咲く姿を見られることを期待しました。
5月19日の写真ですが、若干『たね鉢』の方が元気に見えます。
光の加減でしょうか?

たねから育てた鉢

れんこんから育てた鉢
『たね鉢』の勢いは止まらず。
6月6日には鉢いっぱいに葉を茂らせています。
期待を持たせてくれる成長ぶりです。

と思っていると・・・、

やってくれました!
昨年に引き続き、『れんこん鉢』がつぼみをつけてくれました。
昨年よりも一ヶ月も早いつぼみです。今度こそはとの思いが強くなっていきました。
6月8日も『たね鉢』は変わらず元気です。葉も大きく緑色。
太い茎の立ち葉もあり、有望株です。

一方、今年もつぼみをつけた期待株『れんこん鉢』はというと、


順調に成長しています。
つぼみ発見から2日しかたっていませんが、茎が明らかに長く伸びています。
驚くべき成長力!
日に日に姿が変わっていくのは、成長を見守る側も楽しいものです。
6月10日の『たね鉢』です。水面が見えなくなるほど葉が茂っています。
曇り空に負けず葉もきれいな緑なので、次はつぼみかと期待してしまいます。

そして、隣を見てみると、

2つ目のつぼみは『れんこん鉢』に!
今年はつぼみが二つ。うれしい驚きです。
楽しみがより大きくなっていきました。
茎は蛇行しつつも太くしっかりしたものです。
昨年ピンク色と記したつぼみの色ですが、今年は濃いむらさき色にみえます。
これらのつぼみは大きく成長して、ピンク色になっていくのでしょうか?
6月19日の『れんこん鉢』のつぼみです。順調に成長しつぼみが膨らんできました。色もむらさき色からピンク色になってきました。


後から出てきた『つぼみ2号』も同じくらいの大きさになってきました。
茎の長さも同じぐらいまで伸びているので、開花も同じ頃かもしれません。
いよいよ開花が迫ってきたように見えるので、6月21日は来館者の皆様にも開花した大賀蓮を見て頂こうと、『れんこん鉢』の移動を決行しました。

通常はこのような柵で覆って育てています。
左側は『れんこん鉢』で右側は『たね鉢』です。

左側の柵は老朽化のため新しく廃材からO主査が手ずから作ってくれました。
丈夫な柵はカラスからも守ってくれました。
(1)柵を取りました。ようやくお披露目です

(2)台車に乗せて移動。向かう先は学習室テラスの傍です

(3)数人がかりで下ろします。意外と重いものです

(4)無事引越し終了!
昨年は引越しした後に猛暑のためか、つぼみが枯れてしまいましたが、今回こそはと大きな花を咲かせた姿を日に日に期待していきました。

(5)柵をかぶせて完成!

れんこん鉢

テラス側から見た鉢
雨もぱらつく本日、6月23日は『れんこん鉢』のつぼみがかなり膨らんでいます。
大きさはチューリップぐらいでしょうか。

もうすぐ開花?実はこの状態が蓮の開花1日目になります。
3年ぶりの開花です!

蓮は早朝から咲き始め、昼ごろにはしぼんでしまうので午前中が見ごろです。
もちろん『たね鉢』も忘れていません。
つぼみはつかなくても元気です。

6月24日快晴!

本日開花2日目には、ついにハスが開ききりました。

『つぼみ2号』も開花しました!
昨日の『つぼみ1号』よりも膨らんでいます。
観察した時間は同じくらいだったので、暑さの影響でしょうか?


上から見た『れんこん鉢』と『つぼみ2号』です。
昨日の『つぼみ1号』に比べると、若干ピンク色が濃く見えます。
6月25日には『つぼみ1号』『つぼみ2号』ともに開ききりました。
大輪とまではいきませんが、なかなか壮観な姿です。
濃いピンク色だった花びらもだいぶ薄くなっていきました。


